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黙読の声

読書体験を変える
表現の考察

新島 龍彦


メディアとデザインゼミ

文字を読む時、人は無意識に頭の中で文字を
声に変換し、音声化している。
黙読の声とはその頭の中に想起される
声である。
この製作は、黙読の声を軸とした、読書体験の変化・変化から生まれる表現をテーマとしている。
自分は古川日出男という小説家の朗読を聞いたことから、自分が文章を読む際に声を頭の中で音声化していることに気付いた。
そこで、自分の気付きのきっかけである朗読と黙読の差異を感じてもらおうと考え、谷川俊太郎の「二十億光年の孤独」という詩の朗読を録音した『朗読の声と黙読の声』を製作。
その後黙読の声を意識したデザインとして、
改行を削除した組版を考案した。
実験として、古川日出男の「スローモーション」、小川洋子の「電話アーティストの甥/恋人」という二つの小説で造本を行った。
黙読の声を体験するための作品、黙読の声を
意識した作品を通し、読者にとって今までと
異なる「読書」をして頂ければ幸いである。