UPDATE: 02.10 / NEXT: 02.17


森山優のこだわり



-身近な体験をきっかけに-


私は卒業制作で、バッグのショッピングサイトの制作を進めてきました。 製品からではない「一目惚れの柄」を購入するためのデザインの提案です。

お店での一目惚れ買いという私の体験がきっかけです。買い物途中に目に留まるものは、どれも素材やかたちではなく「柄」なのではないかという気付きから始まりました。このショッピングサイトで、ひとつの新しい買い物体験のかたちを生み出すことが制作での目標でした。





-「今」を卒業制作にする-


卒業制作というと『自分といえばこれだ!』というものを表現するイメージかもしれませんが、私にとっては「"今の私が頭にあること"を外に出す」でした。

作品を作る上で、自分の「好き」に手を伸ばしてものづくりをしていくことは苦手意識がありました。自分により近付いていく行為に近く、掴めそうなのにさらに離れていくことに怖さを感じていました。好きなのに手に入れられない悔しさの中、それでも「自分が好きなことは自分でしか作れない!」という気持ちにとことんしがみついて制作してきました。





-「もしも◯◯だったら」-


今までデザインの分野にこだわり続けていたのは誰かのためのデザインだったからだと思います。

 「もしも◯◯だったら?」  「もしかしたらこんな答えが生まれるのかもしれない」

この考えを頭の中で巡らすのが大好きで、さらに「こんな人が使っていたら…」とイメージを拡げていくことがものづくりで楽しい瞬間です。使う人のことを頭の片隅に置いて、素敵!と言わせてやるんだと強気になりながら制作してきました。




-より深めていくものづくり-


私のものづくりは、すでに存在する物事を題材として特定の行動に的を絞ったテーマで作ることが多いです。今回の卒業制作でも、こんな誰も求めていないようなものを作ってもいいものか…と悩みました。

しかしゼミの仲間に言われた、 「優のつくるものは入り口はすごく見えにくいけど、入ったら広くて抜け出せない出口のない世界だよね」

この言葉にハッとなりました。 より深めていくことが自分の持ち味だとすれば今はこれでいい、この題材が好きな人がもっと好きになるデザインをしよう!卒業制作で気付けたことのひとつです。

4年間学び続けてきた情報デザインという分野が、卒業制作でようやくちょっとだけ見えたような気がします。こだわりというものは自分のまわりにたくさん落ちていて、丁寧に拾っていく感覚があります。そのこだわりを情デでたくさん拾えたことがこの4年間で財産のひとつになったように思います。