UPDATE: 02.24 / NEXT: 03.02


戒能孝祐のこだわり



-イベントに参加する人々の思い-


私は大学生活で芸術祭など様々なイベントに参加してきました。 どのイベントでも、参加している人には何らかの思いが生じていました。

楽しさ、嬉しさ、悔しさ、喜び。 そんな人々の"思い"が集まって、イベントはできています。

"思い"がその場限りで消え、風化してしまうのは勿体ない。残すことはできないだろうかと考えたのが、卒業制作をつくるきっかけでした。





-思いを集めるリレームービー-


「LinkTogether!!」は、人々の体験の"語り"をひとつに繋げて見せるしくみをデザインしました。 イベント来場者たちの"語り"を撮影し、それを繋いだリレームービーにします。 ムービーに参加することによって、イベントでは本来語られることのない"その時その場の気持ち"を記録し、出来事の体験をふりかえることができます。





-"キューブ"をリレーする-


「LinkTogether!!」には"キューブ"というバトンの役割をもつ箱を用います。 体験を"語り"で残すテストを幾度か行う中で、映像の枠内に収めるにはただ喋ってもらうだけでなく、一つの共通のルールが必要だとわかりました。 そこで試しに手近にあった小さな虫かごを使って、 「キャッチして貰ってから喋る、喋り終えたら虫かごを投げ返す。」 という身体的なルールを作って撮影してみました。 すると、どの人も語りだしのきっかけを掴み、テンポ良く多様な"語り"を撮れるようになりました。また虫かごを次の参加者に投げ渡す様にムービーを編集することで、一人一人の"語り"に繋がりを持たせることができました。 こうして人々の"語り"を記録するにあたって、正方形の箱"キューブ"をリレーする様に投げながら撮影するルールをデザインできました。





-実際にやってみること-


卒業制作で学んだ一番大切なことは、"実際にやってみること"でした。 自分のデザインしたしくみを大学のオープンキャンパスで実施し、たくさんの来場者が参加したリレームービーをつくることができました。 実際のフィールド、来場者に向きあうことで思ってもみなかった課題や、自分の作品の価値を知りました。 デザインをするためには当たり前のことなのかもですが、"やってみないとわからない"ということをこの1年間で実感しました。