UI/UXデザイン演習
授業では「自分の生活から新しい経験を生み出すアプリケーションのデザイン」をテーマに取り組みました。日常生活を「私」の視点で観察し、経験という時間の流れや状況変化に応じた行為・思考・感情を詳細に捉えていきました。アイデア発想では「自分ごと」として考え、発想する視点を重視し、独創性や感性を生かしたデザインを追求していきました。同時に、問題解決というデザインの基本的な目的も意識しながら展開しました。
sea bottle
柳澤莉菜
世界中の誰かと優しいつながりを作ることに価値があると考え、海とシーボトルを題材にプレゼントを贈ったりもらったりするというシステムに焦点を当てて制作しました。一期一会の小さくて温かいつながりを作ることで、ユーザーの孤独感を埋めるきっかけになるアプリです。
担当教員:植村朋弘/池田拓司/後藤裕介
うごにっき
YOON Dayeon
『うごにっき』は、思い出をアニメーションの形で残すことができる絵日記アプリです。大きな出来事から小さな出来事まで、絵日記を描いて動かす体験を通して楽しい気持ちで日記を書き続けることができます。
担当教員:植村朋弘/池田拓司/後藤裕介
文字表現演習
「新しいひらがな46文字」を作成する新しい視点でひらがな46文字を制作してください。最初はPCを使用せず、自分の手の動きでひらがな一文字一文字の形を描き「ひらがな」の形の面白さ美しさを発見してみてください。最終的に制作した46文字のデザインがより活きる独自のレイアウトの方法を考え、自由な言葉で表現してみてください。
まんまるフォント
野村華音
共通の円を基盤に丸みと繋がりを活かしたフォントを制作しました。文字としての可読性を保ちながらもグラフィックの可能性を広げる文字という枠を超えた、アートとしての文字の魅力を感じていただきたいです。
担当教員:三沢紫乃
あかし
後藤 颯希
唯一の自身の体から作られる誰1人同じものをもたないわたしだけのアイデンティティ、「指紋」。このゆりかごから墓場まで変わらない、わたしの証を元にこの文字を作りました。指圧によって伸びた細い指紋の線がまるで筆の跡のようになり、和のテイストを生み出しています。
担当教員:三沢紫乃
「変容する文字」を作成する独自の視点で形状や状態が変化していく現象、素材を各自探し出し、それらに起きる変化を文字の形として表現していきます。最低2つの時間(変化前/変化後)を表す書体を制作してください。作る文字は「アルファベット=大文字」もしくは「アルファベット=小文字」のどちらかを選択して下さい。
制作物は最終的にフォント(バリアブルフォント)化し、アプリケーション上で使えることを目指します。
MineSweeper Font
駄場 道拓
最終的に小文字となって残る場所に爆弾が埋まっているという想定で数字が配置されており、徐々にマスが開いていく動きを重視し作成しました。またこれらの数字は、遠くから小文字を見る際のモザイクとしての働きも担っています。
担当教員:秀親
City Map Font
髙田多朗
丁字路、S字カーブといったように、道を文字に喩えるなら、街とは言葉です。単なる記号にすぎない文字が意味を持ってゆく、その過程を街の発展になぞらえて、地図のようなビジュアルのバリアブルフォントを制作しました。
担当教員:秀親
知識と表現
以下の5つのカテゴリーの中から1つ選んで、その中でまた1つ対象を選択し、人に伝わるデザインを考え制作する。[日本についての知識を伝え、人に内容について興味をもってもらう]1日本の気象 2日本の地層(山・河・湖など) 3日本の植物 (外来種を除く)4日本の生物 (哺乳類を除く) 5日本の菌類(地衣類も含む)
本わさびの新事実
名和美優
身近な本わさびの意外な新事実を知ることのできる展示作品です。イラストのパネルを見て、気になった項目をWebサイトで見ることで新事実を知ることができます。さらに、クイズや模型に触れることでより知識を深めます。
担当教員:楠 房子/鈴木 健司/落合 健太郎
変化朝顔
吉永美来
変化朝顔は、突然変異によって葉や花の形が変化した朝顔です。しかし、変化朝顔について知る人は多くありません。そこで、変化朝顔について知らない人でも楽しく知ることができる、はんこの重ね押し体験を制作しました。はんこを重ねて、多種多様な変化朝顔の世界をお楽しみください。
担当教員:楠 房子/鈴木 健司/落合 健太郎
プログラミング演習
授業の内容と自身で選んだテーマで作品を制作してください。プログラムならではの要素である、リアルタイム性・インタラクション・大量複製・外部連携・ランダム性・規則性・その他の自身が考えた要素の中から、最低2点を盛り込むこと。
No Touch Game
武部 一滉
このゲームは名前の通り、画面やキーボードに触らず遊ぶことができます。操作する方法は声のみです。普段ゲームをする人も、そうでない人も新鮮な体験ができると思います。是非楽しんで遊んでください!
担当教員:青木聖也(Scott Allen)
号外発行中
佐藤優心
こちらの作品では情報デザイン社の多摩美新聞を発行することができます。発行された紙面をよくみると、あれ、文章に自分が写ってる?!
担当教員:青木聖也(Scott Allen)
現象とデザインのあいだ
自然現象や生物の生成プロセス・シミュレーション・プロシージャルな表現に着目したデザインを提案してください。あわせてデザインの原理と、プロセスをまとめてください。提案は動画とPDFのセットで提出し、CGのシミュレーション過程や造形の過程などを説明してください。提案はデザイン・立体物・可視化作品・映像などを想定します。
phos
宮澤 春登
1日ひとつ使い、7日間で完成するお香セットのパッケージです。シミュレートした煙から7つの断面を抽出し、それらが重なり合う構造にすることでコンセプトを表現しました。創世神話になぞらえ、ギリシャ語の「光あれ」から名付けました。
担当教員:永松歩
mochi mouse
柳澤莉菜
ボルダリングの石から着想を得て、自分の手の形にそって作られたマウスを作りたいと思い「餅みたいに、柔らかくてかたい」をコンセプトに『
mochi mouse
』を制作しました。見た目はやわらかそうなクッションだけど質感は固くてずっと手を置きたくなる、そんな感覚を目指しました。
担当教員:永松歩
インフォグラフィックス演習
「ニュース記事の届け方をリデザインしよう」メディアで発信されている数字やデータを含むニュース記事のうち、自分が興味関心のあるものについて、新しいインフォグラフィックスを作成して、表現を提案してください。ターゲットとする人を具体的に特定し、届け方をリデザインしてください。主張をより効果的に伝える手法を考案してください。
Superfood Book
高翠蓮
忙しい毎日の中で、食事にまで気を配るのは大変なことです。スーパーフードは、普段の食事に取り入れるだけで健康をサポートすることができます。この本では、食べやすさや調理のしやすさにこだわって選んだ41種類のスーパーフードを紹介しています。
担当教員:矢崎裕一/高見真平
子どもの目を守るには?
出竹 珠子
視力が低下し始める小学校4〜6年生をターゲットとした、視力低下の実態や予防法を子どもたち自身に知ってもらうための冊子です。病院等で配布されるパンフレットを参考に、漫画形式にすることで楽しんで学べるよう工夫しました。
担当教員:矢崎裕一/高見真平
情報設計演習
「情報デザインを学びたい人に役立つWebサイトまたはWebサービス」をテーマとして、どのような人たちにどのようなWebサービスを提供するかを考える部分から、コンセプトの設計、UIデザインからWebサイトの実装までをグループワークで行います。グループは、依頼を受けたデザイン会社と想定し、実践的にWebサイトの企画制作を進めていきます。
union market
上村奈々海/平原 花音/森下 純名/WANG Yuhzhen
情報デザインを学びたい人に向けたWebサイトです。デザインを「見た目」ではなく「人との関係をつくる行為」として捉え、ユーザーの視点から考える力を育てることを目的としています。日常の中で人がどんな情報を必要としているかを観察し、どうすれば伝わるかを試行できる内容構成にしました。情報の届け方を学び、実践的に考える場を目指しています。
担当教員:瀧知惠美/落合健太郎/楠房子
ASTRO NOVA
浅見友惟/鈴木瑠奈/CHANG Hyewon/塘地萌乃/増子果歩
情報デザインを学んでみたい小学生向けのWebゲームです。「UI/UX」「インフォグラフィックス」「サインコミュニケーション」「プログラミング」「レイアウト」に対応するゲームをプレイしながら楽しく学べるサイトとなっています。
担当教員:瀧知惠美/落合健太郎/楠房子
3D表現演習
普段目にしたことのある商品の形とパッケージを手がかりに、形状・機能・行動・経験を観察します。具体的な商品を決めて、紙を使って新しく「包むかたち」を制作してください。
ふたりでほくほく
眞鍋咲紀
「あたたかい焼きいもを誰かと食べる体験を通して、素敵な時間を過ごしてもらう」ことをコンセプトに制作したパッケージです。食べ進めやすいように、斜めのラインのジッパーを設計しました。
担当教員:矢野英樹/大畑友則/川上慎吾
フランスパンのパッケージ
三神遥花
パッケージを広げるとまな板に変わります。フランスパンを切った際のパン屑を包んで、そのまま捨てることができます。
担当教員:矢野英樹/大畑友則/川上慎吾
包むこと、包まれるもの「包むこと」のデザインは、その内側と外側の関係を捉えることから始め、「包まれるもの」を手に取り、運ぶ、開く、用いるという一連の行為を考えてかたちづくることがゴールです。各自テーマを設定し「包むこと、包まれるもの」をデザインし、表面に記されたメッセージと中身を合わせて「包むかたち」を制作してください。
鏡mッ!?
太田伶
「なぜお餅の形は丸と四角しかないのか」という問いから着想を得た感動型鏡餅です。お餅をお餅で包むという新たな発想により、伝統的な鏡餅に現代的な創造性を加え、餅の持つ可能性を最大限に引き出しました。
担当教員:矢野英樹/大畑友則/川上慎吾
醤遊
HUANG Wanting
容器を“形を生む道具”と捉え、表面に凹凸パターンを施すことで醤油の流れを変化させ、視覚的な楽しさと味わう体験を拡張する豆腐パッケージ。新しい食卓体験を提案する。日常の所作が体験へ変わる。小さな驚きも、毎日に。
担当教員:矢野英樹/大畑友則/川上慎吾
魅せるカイロ
増子果歩
暖をとりつつファッションアイテムとして使用できる『魅せるカイロ』は、“カイロは隠すもの”というイメージを覆し、露出した首・足首・手首を包んで温めることができます。安価でありながらもオシャレに楽しめる、可愛らしいデザインを目指しました。
担当教員:矢野英樹/大畑友則/川上慎吾
展示計画演習
展覧会を実際に作る授業です。2008年から続く、情報デザインコースの課題の作品選抜展「できごとのかたち展」を学外のギャラリーで開催します。会場設計・展示グラフィック・広報・運営など、全て学生で企画・制作します。空間をメディアと捉え、展覧会という体験をデザインするこの授業は、個々の課題制作では経験できない協業と実践に取り組む機会となります。
できごとのかたち。この言葉を履修者36人のチームで解釈し、展覧会を創りました。2024年度は「( )
assemble」がテーマです。「組み立てる(assemble)」「分解する(disassemble)」「再構築する(reassemble)」
という創造のプロセスをコンセプトに、本コースの多様な学びを会場へ届けました。各学年の学びを+や÷という数学記号に当てはめ、これらのモチーフをWebやカタログ、ムービーなどの媒体へ展開しています。明るくクリアなピンク色をテーマカラーに設定し、作品を親しみやすい空間で包み込みました。これらの展示計画を通して、新しい視点での「できごと」を提案しました。
担当教員:安藤僚子/会田大也/三沢紫乃