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えもとはな

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サイズ可変
インスタレーション
毛糸、綿、糊


私は物を手放す行為に対して敏感になる。
そこにあった何かを引きちぎって駄目にしてしまうことを物が拒んでいるようで居た堪れない。

しばしそれは「念」と呼ばれる。
そこで誰かが生きていた証が、存在の残留が、物や空間に憑依する。
つまりはその誰かの生命力の蓄積を「気配」として知覚し、あの心地悪さや懐かしさを覚えるのだろう。


針を刺し重ねる。

刺して、刺して、刺して、糸は絡まり、春の野を馳け、地深くへ潜る。

それこそが私を引き留める何かなのだと考えながら。

shitanami