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井上 亮 / 流粒とゆらぐ

ー Fluctuation

我々の生活するマクロな系では時間は水の流れのように連続的なものとして認識する。
量子のようにミクロな系では時間にプランク時間という最小単位があり、それは時間が粒子のように離散的な振る舞いをすることを表す。
マクロな時代の流れだけでなくミクロな場でも時間の認識は異なってくる。その振る舞いは量子ゆらぎのようであり実態がつかめない。それは時間の二重性とも言えるのではないだろうか。

伊藤 銀児 / DURING

「誰にでも満遍なく流れているのに、なぜこうも速く感じたり、遅く感じたりするのだろう」という疑問をテーマに作られたゾートロープ作品。
回転速度は常に一定だが、光の点滅速度のみを制御しディスクの内側と外側で流れる時間が変わる。
"同じ速度なのに長さの違う1秒”を観測する、”現在の再現装置”としての時間メディア。

CHANG Youran /
ゆっくりとサヨナラ

一「ゆっくりとサヨナラ」私の祖父はアルツハイマー病を患っている。 病気を知ってからすぐに、最後のお別れの準備を心の中で始めた。祖父も私の事を忘れていくうちにさよならを言っているのだろう。「サヨナラ」を言う機会があるということは、幸せだと思う。留学やコロナで会えず、いつまた会えるもかわからないが、祖父とお会いできることを心から楽しみにしている。
ニ「余熱」人間が居た場所では温度が残る。それは誰の未練なのか、それとも誰への思いだろうか。

白澤 あゆ季 / -Scope Street-

絵本をメインとしたインスタレーション。
作中の絵本らのテーマは三年次からの研究テーマである「偏見が多く、敬遠されがちなパパ活、ホスト狂いの女性たちは一体何を考え、求め、それをしているのか」だ。
ステレオタイプにただお金やセックス を望むのではなく、その先にある女性が執着する別のモノがあるのではと考え、実際にインタビューを行い深掘り、考察や解釈を加えた上で作品にした。

髙安美玖 / かわいいあなたは

トマトは当初、その真っ赤な見た目から毒があるとされ、観賞用にされてきた。私たちの生きる社会では、視覚からの情報に頼り過ぎているように感じる。しかし幼少期より、外見で判断してはいけないと教えられてきたはずだ。
この作品では「視覚による情報の強さ」をテーマに、外見と内面は必ずしも一致しないという曖昧さを、ポップな印象とは反対の「腐ったトマト」で表現した。

たぎゃたみ / 青果腐敗

-Fruits and Vegetables Love-

野菜の関係性を描いた、VL漫画。どうぞ、思考を腐らせお楽しみください。

梅田百茂子 / 台所

コロナ禍になり、DVや虐待が目立つようになったことをきっかけに、今まで自分の中にあった「家族」というものに対しての違和感と向かいあった作品。友人3人で家族のそれぞれの役割は何か話し合い、その話し合いを基に家族の役割を演じたり、時には演じなかったりしながら過ごした日々の中で、自分たちが感じたこと、考えたことを記録した。

森優也 / 夢であれ除菌

本作は某テーマパーク”夢の国”を現実と仮想現実(VR) の狭間の存在” フィジカルな仮想現実” と捉え、VRを基軸としたVR/プレイヤーパフォーマンス/映像/舞台装置からなるインスタレーション作品である。

the research center of hui /
a study into hui

— the acoustic-based entities

"迴" (ホイ) という謎のエンティティーについての研究は、1960年代から学者たちが提唱していたサウンドスケープ研究と、後ほど音楽家からのアプローチである環境音楽の裏側に潜んでいた。過去の1年間、私たちは昔からの研究資料を収集、整理をして、今の発達したデジタル技術と環境のおかげで迴に関する新しい研究を進めてきた。

古市 佳子 / 構思

「よく回る口!」なんて言うが、「回らない口」もある。
つまり「回らない口」には、考え浮かんだものの、口から出なかった言葉がある。この作品はその言葉たちを「回らない口」に掛けて、それらを具現化した言葉を動かしている。
言葉に詰まってモヤモヤと考える様を、回転したり、回転しなかったりする言葉で表現した。また回転することで、他の言葉とぶつかり動かすことができる言葉もある。

東浦菜央 / BRIGHTNESS

葉っぱに透ける太陽の光、夕焼けの淡い空、地面に落ちる紫の影。そういった自然の光の「眩さ」に私はいつも目を奪われている。
その眩さを、私は自分の手で作り手元に残したいと制作に励むようになった。
卒業制作では、優しく純粋なイメージを持つ卵をモチーフに選び、「生きものの目から見える世界の光」を閉じ込めた。

今浪 可恋 /同人神祭壇

オタク文化と切っても切れない「同人誌」の概念を祭壇にした作品。
SNSで同人作家を「神」と賞賛する様に信仰性を感じ「祭壇」という形に落とし込んだ。開閉式にすることで『同人誌』の「面白さを広めたい自分」と「広めたくない自分」の心情を表している。
壇前面には界隈で有名な作品をオマージュし、祭壇も同人誌即売会の聖地である「東京ビッグサイト」を模している。同人誌概念の神々を作成し、本殿の周囲に配置している。

菅澤 ゆづき / =

飼育放棄や虐待、値段をつけるなど動物の命の重さを軽視した問題に目を向けた作品。へその緒(作者の産まれた時の体重)と命を連想させる7種類の箱の重さを天秤で比べ、釣り合わせることで命の重さは人間も動物も同等であるというメッセージを込めた。

井藤春花 / ピンクの夢を見る

4年間の作品制作を通してアイデンティティについて悩み、考えてきた。理想の姿に惑わされる私。現実を見なければいけない思う私。
堂々巡りに陥ったとき、誰かの言葉に惑わされずに、一歩止まって自分を見つめる機会になってほしい。

中原日薫 / Collection

自分の元から突如離れてしまったものたち。主人公はそれらを捕まえ、鑑賞物にしていった。主人公はコレクションしたものを視覚だけで楽しんだ。サンドイッチを目で食べ、ラベンダーを目で嗅ぎ、カエルの鳴き声を目で聴く。しかし、同時にそれは視覚以外の感覚を失ってしまうーー。

西

ゆきのこ /
わたしはわたしでできてるの

長いように思えて案外短い人生の中で、自分自身を出せるのはほんの少しである。その貴重な人生は、人の顔を伺ったり、周りに同意して合わせたりと無意識のうちに他人に縛られている。そうしているうちに、自分自身を作り上げるのは何なのか分からなくなる人もいるのではないだろうか。 そこから「自分は自分でできている」をテーマに、囚われない私らしさと自由を絵と空間展示で表現した。

笠原 彩佳 / SCENES

私は以前から自ら撮影した思い入れのある写真を使って、違和感のある風景や感情をテーマに新たな空間を表現した写真のコラージュを制作してきた。
その続きとして「見えているだけが世界なのか」というコンセプトから、見えない世界の時々感じる、不条理さ、順序のなさ、自然に対して感じる安心感‥等をコラージュで表現した。

中村羽菜 /
Stratum in the closet

顔や身体はその人の表層であり流動的なもので、絶対的なアイデンティティではない。 ポートレートにおいて顔の情報が先行せずとも被写体の本質に迫るポートレートを 撮影することができるのではないか、という試みの写真作品。 小道具には全て被写体の私物を用いて撮影している。 衣服はその人が生きていた痕跡であり、個性が蓄積された地層である。

Hoshina /
人によってありがとうは違う

SNS上で使われる感情を表す絵文字を中央に配置し、その周りに様々な人によって判断が分かれるであろうものの写真を鑑賞者自身の手で貼り付けられるようにする事で、見る人によって人によって同じ物でも受け取り方が変わるという事を表現した作品。

浅海 優里 / つっこむ

VRを利用し、バーチャルで漫才のツッコミをリアルに体験出来る作品。
ゴーグルをつけると目の前に客席、隣に相方が現れ、カラオケのようにツッコミのセリフが表示されることによって誰でも簡単にツッコミを体験することができる。