
<立体絵本>
本というものは開くという自ら行う動作を行う事で、初めてストーリーに触れる事が出来る媒体である。 その中でも立体絵本は、開くときに発生する引力により、中のイラストレーションが動きオブジェクトと化する。「読む」ことで伝える媒体ではなく、「開く」ことで読み手に伝える表現媒体なのである。 制作した立体絵本は、あらかじめ開いた状態で、作品を展開することで展示している。 実際にこの作品は本としての機能を充分に有しているが、その本の「開く」動作を奪う事で、本ではなくオブジェクトとして出来上がった作品を読ませ、その表現媒体のあり方を問う。