授業内容
私たちの過ごす空間をメディアとして捉え直し、空間を使って情報を伝達するための方法を探ります。
見慣れた何気ない空間をメディアデザインの視点で観察し、情報を伝達するための装置を作り、人とのコミュニケーションを生み出す個人的な実験を試みます。
身体の五感を通した直接的なライフサイズの情報伝達について学びます。
課題文
多摩美の八王子キャンパス内に、空間を介して人とコミュニケーションを生む装置(道具)をつくり実験をします。
・コミュニケーションのきっかけが、空間を介していること
・一方向でなく、双方向のコミュニケーションを生み出すこと
・ゲリラ的な装置でなく、設置場所の許可を得て、安全で人に迷惑や不快を与えないものであること
・装置に人が介した記憶や記録がわかること
担当教員によるコメント
中庭のベンチの下に設置した中から猫の鳴き声が聞こえる段ボール箱という素朴な装置。鳴き声という「音」で人の関心を引く手段も、「段ボール箱=捨て猫」というわかりやすい記号も、実空間で大袈裟でない自然なインタラクションが好感的でした。
箱の中に保護猫の問題がわかるリーフレットを用意し、それを持って行ってもらうことで他者が介したことがわかり、さらに自身が猫を飼っていることで得た個人的な経験から出発したテーマであることも説得力がありました。
教員・安藤 僚子