生活の痕跡
3年
松尾 凛音
日常のデザイン「時」
社会デザインⅠ
この作品は、私たちが忙しない日常の中で見過ごしてしまう、些細な時の痕跡に焦点を当てた作品です。
インタラクション作品、映像、冊子の3つのメディアを通して、時間の流れの中で消え去ってしまう一期一会の愛おしさを伝えます。
授業内容
社会デザイン I では、感情や感覚に働きかけるデザインの研究と制作をしています。さまざまの社会課題を解決するためには、多くの人の行動変容が必要です。それは多くの人の意識変容と態度変容から生まれます。前期ではベーシックなテーマを設定し、人の気持ちを動かす力を養うための実践的な課題を行いました。
具体的には「時」をテーマに、映像と体験のデザインを行い、それらをまとめるコンセプトブックの制作を行いました。宮崎ゼミでは、特に自身がデザインした価値を自身に問い、映像と体験、コンセプトブックの3つを展示して、デザインプロセスやコンセプト、デザインの成果を総合的にまとめて人に伝えるデザインを行いました。
課題文
心にグッとくる「時」の魅力を「あの手この手」で伝えてください。
映像と体験のデザイン、それらをまとめるコンセプトブックを総合的に展示し、その価値を伝えてください。
担当教員によるコメント
作者の松尾凛音のテーマは「生活の痕跡」。映像作品では『痕跡の時』というタイトルで日常の些細な痕跡を美しい映像と音楽で纏めました。
映像の最後はティッシュペーパーをゴミ箱に捨てるシーンで終わります。そして体験作品は『ティッシュの痕跡』。標本のようなテュッシュを机の中央に置くと、その上にテュッシュのストーリーが映像で流れます。
『忘れる時、残る時』、生活の痕跡を人が感じる時の長さで纏めた図鑑の冊子。それらの3つの作品は、日常の「時」がとても愛おしくなる作品です。

教員・宮崎 光弘