切って繋いで
3年
平田 信繁
空間伝達デザイン
メディアデザインⅠ
机の上に大きな本が展示され、本の中身の文字を参加者が自由に切り取り、組み合わせ、壁に貼り付けていく参加型の作品です。
授業内容
私たちの過ごす空間をメディアとして捉え直し、空間を使って情報を伝達するための方法を探ります。
見慣れた何気ない空間をメディアデザインの視点で観察し、情報を伝達するための装置を作り、人とのコミュニケーションを生み出す個人的な実験を試みます。
身体の五感を通した直接的なライフサイズの情報伝達について学びます。
課題文
多摩美の八王子キャンパス内に、空間を介して人とコミュニケーションを生む装置(道具)をつくり実験をします。
・コミュニケーションのきっかけが、空間を介していること
・一方向でなく、双方向のコミュニケーションを生み出すこと
・ゲリラ的な装置でなく、設置場所の許可を得て、安全で人に迷惑や不快を与えないものであること
・装置に人が介した記憶や記録がわかること
担当教員によるコメント
全学科が利用するレクチャーホールの階段脇のガランと空いた薄暗いスペース。誰も気に留めない隠れ場所のような空間に着目し、そこで試みた静かで詩的な実験が空間とマッチしていました。
大きく拡大した小説本をつくり、その中から好きな一文を切り取って壁に貼ってもらい、新たな文を他者と一緒に作り出していく装置。スタンドライトの明かりの中で、絶妙な大きさの文字が壁に浮かび、言葉となり連なっていく風景がとても美しく、高く評価しています。

教員・安藤 僚子