授業内容
「経験 あるいは 体験 ── 実験の結果が経験である」
経験・体験・実験に共通の概念「験=きざし(兆し)、ためし(試し)」はデザインできるのでしょうか?
わたしたちの先達は experiment(実験)や experience(経験)を「未知のものへのアプローチ」と捉えていました。
「未知のものへのアプローチ」とはどういうことなのか?ここで行なうことは「実験」でいいのです。実験には失敗がつきもの。失敗もひとつの「経験」になります。
この授業では「実験と体験の交差点」を探します。
課題文
見たもの、聞いたもの、食べたもの、着ること、寝ること、話すこと、自分が1週間を過ごす中で得る体験は、その場で消えてしまいます。
どのようにしたら、残すことができるでしょうか?絵として描くこと、映像をとること、録音すること、数を数えること、詩にすること自分の体験を記述するにふさわしい表現方法を探りましょう。またその記述を残すためのメディアを考えましょう。
担当教員によるコメント
作者がさまざまな町を歩いた記憶をマテリアルを使用して表現した作品です。
断片的な記憶が象徴的なモチーフによって構成されています。
ひとつひとつの形に記憶を辿るためのトリガーが仕掛けられており、不思議な手触りの記憶を再生するメディアになりました。
それぞれのマテリアルが織りなす街の情報は私たちの想像力を掻き立てます。
教員・清水 淳子