握貝 - 林 洸理

作品情報

インスタレーション / W3500*H150*D3500 (mm) / 木材、珊瑚砂、粘土

コンセプト

女性にひとつかみの粘土を渡し握りしめてもらう。掌を開いたときに残る螺旋状の形は、貝に似ている。この貝の形を「握貝」と名づけた。
私は掌の内部を子宮に例える。握貝には言葉にならない感情や記憶が宿る。
自分自身以外の握貝を握っても形が合わず、しっくりとこない。
逆に一度手放したものであっても、自分自身の握った貝であればぴったりと形が合う。指紋や掌の皺の形がはっきりと残り、個人的な情報の塊であると同時に、かけがえのないもの、愛おしいものという感覚が呼び起こされる。

今回のインスタレーションでは、その「握貝」の漂着する、海と陸の境界の場を作り出す。海は彼岸、陸は此岸。境目の浜辺に名も無い手形「握貝」が流れつく。
ここではないどこか、いまこのときではない時間に接続する海辺の空間、境界の砂地に流れついたものたちが語る「物語」を、作者は朗読で代弁する。

林 洸理 / Hayashi Hikari

プロフィール

受賞歴 立川美術学院描写部門金賞
文章による物語・およびその朗読・舞台となる空間を総合したインスタレーション、花や昆虫・風景・女性の身体などを表現した写真・映像を制作しています。

コメント

ぜひ、朗読を聞いてください!

WEBサイト / 連絡先

http://hayashihikari.yu-nagi.com/
hikari.hayashi.hh(at)gmail.com