杉浦 可奈子(すぎうら かなこ)

作品名
界
作品形態
写真
素材
撮影地:中国(新疆、青海、内蒙古、他)タイ、フィリピン
サイズ
ワイド四切り他
コンセプト
あたためられた朝の湧き立つ音が聞こえるころ 世界は脈動を迎えるために 一度呼吸をととのえる
街を覆う生の気配が 人の行く道に巡り拡散しはじめる日を浴びて 目を閉じて 世界を渡る歌を聞き 耳の奥の記憶の色を辿りながら 流れる空気を眺めている
ファインダー越しに一瞬目を閉じる。その瞬間、私は世界に入り込み世界は私に入り込んでくる。
それによって世界に降る光の温度をわけてもらうのだ。私はその瞬間を愛しく思う。
私にとって旅や写真は生を体得するプロセスである。たとえば頬に刺さる紫外線が痛かったり、裸足で駆けた
砂漠に水脈を感じたり、雨で溶けていく道を見たりしなければ、自力で何か越えようとは思わなかっただろう。