UPDATE: 03.03 / NEXT: 03.04

きになるゼミナール一限目は、サービスデザインゼミ(通称:吉橋ゼミ)。
吉橋昭夫先生ご指導のもと、7名のゼミ生で構成されています。
今回6名に集まっていただき、ゼミについてお聞きします!
なんと、ゼミ旅行にお邪魔して金沢のお蕎麦屋さんでインタビューさせていただきました。



どうぞよろしくお願いします。
一同 お願いします!!
ゼミ旅行で金沢ですか。
街歩きということでみなさん着物なんですね。
なぜまたこの真冬の時期を選んでゼミ旅行へ?
春や夏が多そうなイメージですが。
甲斐 ・・・悔しいから。
一同笑い
松本 他のゼミが旅行や合宿に行ってたのに
サービスデザインゼミだけ行ってなかったんだよね(笑)
ということは・・・
イベントとしては外での活動は初だったり?
酒井 そうだっけ…いや、自主ゼミ含めたら2回目って感じかもね!
自主ゼミですか。それはどういう内容だったんですか?
森山 夏休みに卒制を進めるために会議室借りたんです。
みんなまだ全然制作まで進んでなくて、そこでひとりずつ不安なことだったり悩んでいること色々話して。
ほんと有意義だったよね、やって良かった~って言いながら家帰った思い出が(笑)
なるほど、ゼミでのスタートはどういったものだったんでしょうか。
酒井 最初に「マインドマップ」を描いたんだよね
甲斐 A3くらいの紙に「自分」や「卒制」、
自分の好きなものなどキーワードを中心に書いて…
それを言葉や絵で枝分かれさせて、
最初のキーワードから考えを拡げていくっていう方法です。
武藤 とにかく自分の頭の中にあるものをかたちにして、自分で改めて再発見するというか。
甲斐 そこから卒制のキーワードを探っていく。
結局自分の好きなものや興味があるものがテーマになったりするんです。
ではみなさんマインドマップを描いたことが
卒制に進むきっかけになったということなんですね。
進め方は具体的にどういうものですか?
酒井 俺達が作ってきたものを教授に見せてコメントをもらって、
そこから得たものをどんどんフィードバックして
少しずつ固めてく感じかな。
松本 先生からというよりは日常的にゼミ生同士で相談したり、
フォローしあったりして、それから先生にチェックしてもらって…
それからまたゼミ生で、っていう繰り返しみたいな。
奥村 そうだね。「一人じゃわからないこともみんなで考えたらわかるようになる」
ってのはほんとだなーと思います。
森山 共有しあってお互いにやっていってるというか…
そうだ、自分以上にまわりの人のほうが
自分の卒制のこと知ってるっていうのない?
一同 あるある!(笑)
酒井 自分のばっかりやってるとわかんなくなっちゃうんだよね(笑)
甲斐 ゼミに行って意見もらった時に、
「そうだった!」って気付く時もあったり。
武藤 そうそう。それと作品が進んでなくてもとにかく作ってもっていく。
それでみんなに見てもらって…そっかそういう見方があったんだって。
それで作ってこれでいけるぞ!って進めていきました。
酒井 ゼミで色々もらって帰るというか。一人じゃ進まなかったんだよね、絶対。

<ゼミでの進め方で取り入れているもの(方法など)を教えて下さい。>

全員のアイデア、試作、表現などを、ゼミで公開し、
全員で見て、全員で意見を出し合う。
教員と学生、学生どうしが馴れ合いにならず、
良い緊張感を持って互いに学び合うこと。
では次に先生がおっしゃっていたことで印象に残っている言葉があれば教えて下さい。
甲斐 「美大生ですから」・・・あと「多摩美クオリティ」とか。
酒井 そうだね。
同じだけど、「ここは美大だからね」っていう言葉も。
奥村 学生3年間やってきたことを卒制でやるんです、
そこに人生かけたら卒業できません!っていうのは印象に残ってる。
松本 うんうん。私は「多摩美クオリティ」に尽きるな、って思う。
奥村 それと、僕は手を動かす前に悩みすぎて一週間たっちゃう…
みたいな人なんですが、「デザイナーっていうのは
褒められることよりけなされることのほうが多いんだよ」っていう話。
つまり、褒められたくてデザインしてるわけじゃないけど、
ユーザーの手に届いた時、そこでやっと何か言われるんだっていうのが印象に残ってます。
ということは、デザイナーとしてどうやって今後やっていくか
というお話があったり、マインドや心構えを
先生から教えていただくことがあったと。
奥村 はい。
それに先生が色んな現役のデザイナーのOB・OGの方を連れてきてくれて、
色んな話を聞けたりという機会も多かったです!
森山 そうだね、4年生だけじゃなくて3年生のときから
積極的にそういう会があったりしたね。

<ゼミ生に向けて意識して言ってる、使っている言葉を教えて下さい。>

意識して言っている言葉は思いつきませんが、
「自分で考えなさい」というようなニュアンスのことは、
何度も伝えていると思います。同じ意味で、
「教員の言ってることが正解ではない。」
「(デザインには)正しいただひとつの答えがあるわけではない。」
という意味のこともたぶんよく言います。
次に全3回の審査会を終えての感想や、
1年間のゼミを通しての一言をお願いします!
奥村 3回の審査会がよく覚えているは「準備」かな。
甲斐 タイムスケジュールみたいなのがあって、
はやめはやめのリハーサルでプレゼンの指導もしてもらったりしました。
審査会のプレゼンのリハーサルですか。
甲斐 はい、2回ありました。
プレリハして、手直しして、またリハ。
松本 そのリハの日にちがあったから、
それまでになんとか!って作品も限界まで進めて。
しっかりスケジュールを立ててゼミの中でやっていたということですね
奥村 夏休みにも、その期間何をやるのかをプラン書いて
先生に堤出したよね…
全然その通りにはいかなかったけど(笑)
森山 そうだそうだ。
日にちと文字だけじゃなくて「絵や図も書く」ってのが
サービスデザインゼミらしい(笑)
先生から事前にいただいたコメントに
「みなさん完成度がまだまだ」というものがありました。
酒井 それは痛感してるね…
武藤 やはり、進めるのが遅かったのもあるかも。
手が遅いというのは課題。
酒井 ・・・でも卒制はここで完全に完成じゃないって思うんです。
松本 うん、どれも終わりではなかったなって。
最終審査会ですらここからだなと思う。
3回の審査会でみんなをずっと一番近くでみてて…
プレゼンの回数踏むごとに成長してるなって感じで!
作品と一緒に自分たちも成長してるなと。
ゼミの中でゼミの仲間を見てて嬉しかった。
なるほど…ゼミ生同士での関係性が皆さんの作品を育てたのでしょうか。
本日はありがとうございました!

<全3回の審査会を終えて、一年間を振り返ってみての感想を、
ゼミ生に向けてお願いします。>

ゼミに関して:
せっかく新しいテーマに取り組んでいるのに、
スケジュール管理がうまくいかず、
作品としての完成度が上がらない人が多かったのが残念でした。
すでにどこかにあるものを真似るのと違って、
新しいテーマやコンセプトを扱うには多くの時間が必要です。
時間切れで最後にあわてて仕上げた作品は、表現の完成度が低く、
チャレンジしたテーマの新しさが作品に反映されないため、
うまく伝わらずに終わります。
スタディーや試作、表現に充てる時間を多めに見積もって、
計画的に制作することの重要性を理解して制作したら、
もうワンランク上の作品になったと感じます。

全体について:
どこかで誰かがすでにやったもののコピーで満足しないでください。
それは「クリエイティブ」ではありません。


サービスデザインゼミは情デの中でも一番少ない7人という人数です。
お互い協力したり、小さなことでも相談しあうような仲間同士の連携が
ひとつ筋の通った「強さ」を感じさせるのかもしれません。
先生対個人だけじゃなく、
先生対ゼミ全員、個人対ゼミ全員、そういった関係性もまた
サービスデザインゼミらしさを生んでいるのかもしれません。