UPDATE: 03.04 / NEXT: 03.05

きになるゼミナール4限目は、デザイニングエモーションゼミ(通称:宮崎ゼミ)。
宮崎光弘先生ご指導のもと、14名のゼミ生で構成されています。
今回はそのうち4名に集まっていただきました。
そして本日のロケーション。情報デザイン棟といえば…真っ赤なロッカー!
こちらをバックに、ゼミについての質問をお聞きします!



今日はよろしくお願いします!
まずはじめに、ゼミの進め方はどんなものだったか教えて下さい。
磯崎 進め方…とりあえず、みんなで答える!
相川 発表したことについて、宮崎先生だけじゃなくて
ゼミのみんなにどうしたらいいと思う?って意見聞いたり。
毎回ゼミはそんな感じだよね、そんな変わったことはしてない。
磯崎 うん、雑談をはさみつつね。
みんなの前で発表する感じですか?
小野 はい、プレゼン形式です。
発表者がプレゼンして、みんなでコメントします。
磯崎 あと、宮崎さんが必ずゼミの最初でなにか持ってきて、「鑑賞」したり。
一同 ああー!
鑑賞っていうのは?
小野 本だったり…なにか面白いものを。
相川 うん、"良いデザイン”のもの。
それに宮崎さんが今やってる仕事のデザインだったり。
そういうのをみんなで見てわいわいしてます。
磯崎 『ちょっと待ってね!!』ってね。
一同笑い
え?なんですか??
小野 そうそう、今のは宮崎さんの真似(笑)
磯崎 どう、今似てなかった?似てるでしょ(笑)
で、何か部屋に取りに行って…『無かったなあ~』って戻ってくる。
相川 あはは!そうそう、いつも無いんだよね(笑)
もちろんこんなのあったよって持ってきてくれるときもあるけど。
先生からはこんなコメントをいただいています。
「ひとつのチームとして」ですか
相川 あ!そうだ!
4年生になってゼミの最初にゼミでは名前を決めて付けるんです。
サッカーチームみたいなゼミにしたいって言うのがあって。
へえー!サッカーチームですか。
相川 はい、そういう団結力というか。
それで私たちは「蝉ゼミ」っていうチーム名を決めるところから始まりました。
せみゼミ!
磯崎 俺はツチノコでも良いんじゃないかって言ってたんですけど。
一同笑い
小野 何でもいいんです。ひとり3つ考えて投票方式で決まりました。
せみ、かっこいいですねー! デザイニングエモーションゼミってなんだか明るい雰囲気がありますよね。
相川 そうかも。ポジティブですよ!

<ゼミでの進め方で取り入れているもの(方法など)を教えて下さい。>

特別に取り入れている方法はありません。
ただ、ゼミのメンバーには、全員の作品について「他人ごと」ではなく「自分ごと」として考えてもらいたいと思っています。
せっかく、ゼミとして、ひとつのチームとして、1年間、作品を共に作っていくのですから、 僕との 1 対 N の関係になるよりは、僕も含めてゼミ全体が、N 対 N の関係になった方が より豊かな作品が生まれてくると思っているからです。
そうすることによって実は自分自身の作品を客観的に見る力も自然についてきます。
ただ、実際に僕がやることは、全員がポジティブになれる環境を整えることで そこから、よりよいコミュニケーションやモノが生まれくればいいと考えています。
では次に先生がおっしゃっていたことで印象に残っている言葉があれば教えて下さい。
相川 うーんなんだろう…
小野 あ、「大丈夫だよ~」っていうのはよく言ってる気がする。だめかな?
磯崎 「できるかなー。いや、信じよう!!」
相川 ああー!そうだね!!それだ、信じようって。
小野 やっぱポジティブな感じだよね、とにかく。
磯崎 けして否定はしない。
相川 うんうん。これ面白いね~のほうがよく聞きます。
みなさんがそれぞれ発表してコメントをもらうときはどんな反応なんでしょうか
磯崎 良い反応ばっかりってわけじゃなくて、
わからないことは徹底的に「それはどういうことなの?」という感じで聞かれる。
相川 普段はすごく優しい感じなんですが、
毎審査会でのプレプレゼンは結構厳しかったかなと思います。
小野 ビシバシ!って感じでね。
相川 あとは…なんだろう「グッと来る」って言葉。
小野 ゼミ名にもなってるよね。
デザイニングエモーション…気持ちに働きかけるっていう意味。
頻繁に言うというわけではないけど、何にしてもそういうことを一貫して
言っていたんだろうなって思います。
先生から事前にいただいたコメントを見てみると…
「デザインの答えはひとつではない」、これを言っていたかもとのことです。
一同 ああ~!!
磯崎 そう言われると確かに!!
逆にみなさんの答えを聞いてみたい、とも。
磯崎 やっぱり、これが名言!みたいな感じではなく、ポツリポツリだな。
こうなんだよって決め付けるってタイプじゃないよね、宮崎さんは。
染みこませてくる感じ(笑)
小野 うんうん、そうだね。
磯崎 その時のその言葉に対して、
お互いが自分なりの考えで動いていればいいっていうか。
それぞれ受け取り方が違うと思う。
教えを説くというのではなく、ですね。
磯崎 もしかしたらこの道じゃなくてもいいよねって。
こういう方法は?っていうアプローチが、
その「デザインの答えはひとつじゃない」っていう言葉になるのかもって。ね。
石榑 いや、素晴らしいと思います。
一同笑い
先生は今この記事を見て、ああこういう答えか~って思ってるはずですよね。
楽しみですね!
相川 うんうん!
磯崎 染みこんでますよ!!

<ゼミ生に向けて意識して言ってる、使っている言葉を教えて下さい。>

意識して言っている言葉はありません。もしかしたら 「デザインの答えはひとつではない」 と、何度か言ったかもしれません。でも、そう思っているだけで、言っていないかも(笑) 逆に、この質問に対して、ゼミのメンバーがどのように答えるのか、ぜひ聞いてみたいです。
では最後に、ゼミを1年振り返っての感想をお願いします
相川 宮崎ゼミでよかったー、って思った。率直に。
磯崎 まあ、マイペースだったよね
相川 そうだね。マイペースだったけど…
みんなに意見もらったことで作品が出来たって私は思ってるから
今の作品は宮崎ゼミじゃなきゃできなかったなあって。
あとはやっぱり宮崎さんが面倒見いいよね
小野 ほどよい面倒見、ね。
作品に対して介入してっていうのもあまりないんでしょうか。
相川 あ、それは全然ないです。
それこそデザインの答えはひとつではないっていうところに出てるんじゃないかな。
こうしたらいいよっていうのは絶対言わない。
小野 そうだね。考えさせてみんなで意見言って…先生が決めるんじゃなくて。
さっきの、言葉通りのゼミだったよね。
磯崎 「宮崎ゼミ」としての枠じゃなくて…個々の印象というか。
宮崎先生はこういう人で~僕達はこんなことを
受けましたっていうスタンスじゃなくて。
宮崎先生がいて俺達がいて、
あんな日もあったし、こんな日もあったよねっていう感じな気がする。
なるほど。先生のはじめのコメントの「N対Nの関係」っていうのはそういうことを表してたんでしょうか。
相川 うんうん。そういう感じ。
磯崎 それに作品が進むにつれてみんな考えが変わっているから、
毎回同じメンバーだけど違うゼミっていうのは多々あったなと。
こういうものを作ってるからこんなことを言えるんだろうなと思ったりとか…
あ、一時期作品が似たときもあったもんね。
作品が似た、ですか?
一同 ああ~(笑)
磯崎 石榑とか、だんだんふわふわしたテーマになっていってさ(笑) 
愛着だかそういう言葉を使い出して…それでみんな作品似てきた。
小野 ははは!そうだ、そんなこともあった(笑)
磯崎 テーマが似てきてわかるなあって気持ちはあるんだけど、
ちょっとかぶってやだなぁって…
一同笑い
相川 似てきちゃったのはなんでだろうね…
空気感がそうさせるのかも。
磯崎 こいつの言ってることいいなあって。
最後の質問に対しての先生のコメントは「感動」「感謝」という言葉が印象的です。
一同 、コメントを見たあと、しばし沈黙
相川 ・・・・・・素晴らしい。(拍手)
相川 私が一番感動したのは、最終審査会前日に宮崎さんから来た
「絶対9時に全員集合してください。」っていうメール。
遅刻してはいけないからっていうのではなく、
「相川さんがトップバッターだから、全員で応援してプレゼンを宮崎ゼミのホームにしてあげたいからです」
って書いてあって・・・泣いた(笑)
それは…泣けます…!
小野 熱い感じだよね。
相川 うん、宮崎さんみたいな…大きい人になりたい。
…と小さい人は思います(笑)
一同笑い
小野 振り返ってみて、自由にやらせてもらったなあってほんとに思う。
相川 うん、宮崎ゼミだからこういうのが
多いっていうのがないゼミかなって思う。
小野 確かにそうかも。
相川 作品や考え方がアートよりの人もいたし、
グラフィックよりの人もいたし…情デっぽい人もいたって思うから
そういうのが宮崎さんの…
磯崎 器のでかさか!
相川 そう、それに「デザインはひとつじゃない」スタンスだったから
そうなったんじゃないかなと。
石榑 それに、みんなでやってきたっていうのがあって。
中間審査会以降みんな悩んでしまっていて…
でも最終審査会に向けてブレイクスルーした人が多かったというか。
一気にグッと抜けた感じがあって。全員そうなったことはすごい。
それが「ゼミ」なんじゃないかなと思います。
相川 ゼミの力だね。
小野 うん、相乗効果!

<審査会を終えて、一年間を振り返ってみての感想をゼミ生に向けてお願いします。>

作品集にも書きましたが、みんなは本当に大変な時期に卒業制作を作ることになったと思います。 この時期に自分で作品のテーマを決めて作っていくということは、容易ではなかったでしょう。 でも、悩みながらも深く考えて、最終的にはそれぞれの人がそれぞれの答えを作品として作り上げたことに 少なからず僕は感動しました。正直に言えば、僕自身が諦めかけていたのかもしれません。 でも、みんなが諦めなかったから僕も諦めずにいられた。そのことに感謝しています。


デザイニングエモーションゼミのみなさんから感じたのは「温かさ」。
インタビュアーの私も終始ほっこりさせられる場面が多々ありました。
先生とゼミ生の、太陽とひまわりのようなのびのびした関係を羨ましく思いつつ、
みなさんのそれぞれの言葉から、おのずと作られたチーム力を持って
前向きに大きく前進していく1年間の様子を垣間見れたように思いました。