3年生>永原ゼミ

永原ゼミ

課題

「本とは…?」という問いに答えることによって、自分にとっての「本」(伝えうるもの)を明らかにし、それを発展させた作品を制作すること。


本は一般には紙の束ですが、電子書籍の出現によってその物理的な概念が揺らいでいます。では、本とは何で、本のボディはどこにあるのでしょうか?「本」という既存のメディアとその体験を通じて、「伝えるもの」と「伝えること」について考察します。

担当教員 永原康史

銀河鉄道の夜
銀河鉄道の夜
銀河鉄道の夜
銀河鉄道の夜

銀河鉄道の夜

大矢晴香

大矢晴香

本を「夢」と定義付けしました。宮沢賢治「銀河鉄道の夜」をテーマに9冊の立体切り絵本を制作しています。まるで自分が本の世界に入り込めるような幻想的な仕上がりです。

選考理由

誰もが知る物語を、誰もが知るポップアップブックという手法によって再現した作品。立ち上がってくるジョバンニとカムパネルラの物語に誰もが共感する……と思わせる説得力と魅力を持っています。

即席娯楽本〜電車でひまつぶし〜
即席娯楽本〜電車でひまつぶし〜
即席娯楽本〜電車でひまつぶし〜

即席娯楽本〜電車でひまつぶし〜

田頭菜々美

田頭菜々美

私は、本とは「即席娯楽」であると定義し作りました。なぜこのように定義したのかというと、本を読むには、ゲームや運動のように楽しむまでの準備がいりません。文字という記号さえ読めれば娯楽を得ることができます。また本が発達したのは、鉄道が発達し、人間に移動時間に暇ができたからです。その二つを合わせ、電車の移動時間中に読み終える本を制作しました。

選考理由

本を時間と捉えて、電車に乗っている間に読める小説を小さな本にした作品。読書する時間の実体を、たとえば「橋本〜新宿」といった電車の乗車時間という共通体験に求め、手のひらの中で読み通せる「本」のかたちに結実させました。