井上 亮 / 流粒とゆらぐ -Fluctuation-

サイズ:3000×5000×3000(mm)

素材:Arduino / CNCシールド / ステッピングモーター / 歯車減速機 / スリップリング / 砂時計 / プロジェクター

使用ソフト:Arduino IDE / openFrameworks

Twitter:@Mako265840

Mail:makotyan@gmail.com


2020年を過ぎて量子コンピュータがクラウドサービスで利用可能になり身近に感じるようになった。現在の量子通信技術の理論に目を通し、光速を超えた世界を人類が目の当たりにすることは難しそうだと頭を抱えるも、やはり小さい頃夢見たSFの世界はどこかにあると考えてしまう。目を閉じて量子テレポーテーションが可能になった未来について考える。これまで光速は超えられないものとして認識して来たが、それを覆す現象が実現したならば時間のパラダイムシフトが起こるのだろう。しかしながらその時代に考えられていた時間の概念もまた概念であったのだから、どちらだけが正しいと結論付けるのは難しい。では、時間とはなんだろうか。頭を捻り改めて考える。 我々の生活するマクロな系では時間は水の流れのように連続的なものとして認識する。量子のようにミクロな系では時間にプランク時間という最小単位があり、それは時間が粒子のように離散的な振る舞いをすることを表す。マクロな時代の流れだけでなくミクロな場でも時間の認識は異なってくる。その振る舞いは量子ゆらぎのようであり実態がつかめない。それは時間の二重性とも言えるのではないだろうか。