怪獣の着ぐるみ作品。怪獣の面白さのひとつは、フィクションの荒唐無稽な存在でありながら、ときに公害や核など現実の問題を背負って立ち現れることだと考えている。 デザインには、岡本太郎作の絵画「明日の神話」を取り入れている。この絵画は原爆の炸裂をモチーフとしているが、それが渋谷という大都市のなかに置かれているという点が怪獣的であると考えた。 着ぐるみの中に人が入るということは、それが人災や人間の業のメタファーであることとも重なる。ある種の滑稽さを覚えるかもしれないが、それはまさしく私たち自身の写鏡であることを示している。