天野 敦湖 / 装飾和綴本
サイズ:黒髪山 / 148×410×10(mm) その他 / 148×210×10(mm)
素材:紙(画用紙、厚紙) / 刺繍糸 / 布 / アクリルビーズ / スパンコール / 合成皮革 / リボン / フェルト









松尾芭蕉の「奥の細道」から発想を得た和綴の本を制作した。 松尾芭蕉と弟子の曽良が行った俳諧紀行は、徘徊を元の連歌と同じ様な格式高い文芸へと位置付けたいという試みだった。また、様々な歌に歌われた名所を巡る事によって、古人に思いを馳せ、江戸時代当時の俳人たちとの出会いを期待した旅でもった。彼らに倣い、松尾芭蕉と曽良の旅路に心を重ね、彼らの俳諧から感じ取ったことを本の装丁で表現する。 テーマは蕉風俳諧の理念の1つでもある「不易流行」である。 いつまでも変化しない本質的なものを忘れない中にも、新しいものを取り入れていく事。また、変化を重ねていく流行性こそが不易の本質であることを表す言葉だ。 この作品では、和綴という伝統的な製本方法を、現代の素材を使ったり、より装飾性を高めた綴じ方を工夫する事で、テーマを表現した。