• 一見、障子や襖などは平面的だが、その実、木を組んで作られた立体物であり、立体としての面白さやその模様や映し出す影、シルエットの美しさを持っている。

    コロナ禍の自粛で部屋にこもり続けた日々の中、毎日同じ部屋の味気ない空間に居続けることが窮屈で退屈になった時、窓辺の観葉植物や庭の草木、身近な自然が心に癒しやゆとりを与えてくれることに気がついた。

    本作は、坪庭をイメージした組子のオブジェである。組子は障子や襖等に使われる伝統的な装飾だ。日常生活の中で、自然と密接に関わるものの一つとして坪庭をモチーフに、もとより襖や障子などに使われ、庭という外 / 家の中という内、その内と外の境界に位置する組子を用いて、日常の中に癒しを与えてくれる自然を再現した。