• 作家が幼少期より持つ自然に対する親しみと畏怖の念を、アニミズムの色彩を纏った絵として制作した。宗教絵画は世界各国に存在しているが、これを作家は得意とする写真技法を用いて表現することを試みた。複数の写真素材を展開し配置することで、無限に続くイメージを作り出している。
    大きな枝の分岐をじっと見つめていると、同じ様に土の下の根の広がっていく様子を思い起こさせる。また、複雑な関節を持つ節足動物にも見える気がしてくる。自然界に存在する造形にはいくつかの類似パターンがあるという。森に入った時に感じる何かの気配は、古来より人間に生霊の存在を認めさせてきたが、案外視覚的にも感じているのかもしれない。使用された素材は全て、作家の身近に生育している植物を撮影したものだ。