• 新型コロナウイルスの流行により、教育の現場が家庭に移行することで、子どもたちに大きな影響を与える”家庭の問題”をテーマに制作した。作品は先生側と子ども側で成立し、先生側からの視点を見た後に実際に子どもたちのいる環境を見に行くことができるようになっている。子ども側の環境に染み付いた文章は、現実社会で実際に起きた(または現在進行形で起こっている)家庭の問題、そしてそれらを抱える子どもたちの心や行動への影響をリサーチして作家が構成し、光を99.3%吸収する低反射塗料でステンシルされている。

    従来より、子どもの環境はあくまで保護者に依存している。そのため、家庭に問題を抱えていたとしても子どもは保護者から離れることはできず、事態を解決することは大変困難である。
    厚生労働省が発表した”昨年度18歳未満の子どもが親などの保護者から虐待を受けたとして全国で児童相談所が対応した件数”は19万3780件超であった。しかし、それはあくまで通告され対応した数であり、実態としてはそれ以上存在すると推測できる。学校の先生ですら見えていない問題がそこにはある。

    だからこそ私たち大人一人一人にはそのような状況に置かれた彼らに何ができるのかを自分事として考え、行動することが求められる。本作が改めて、あなた自身の身の周りにいる子どもたちやその家庭にきちんと目を向ける良いきっかけとなりますように。