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3D オブジェクトの中に
入っていくカメラを外側から見たカメラ

ベースのカメラ

3D オブジェクトの中に入っていくカメラ

風船・幽霊・ディスプレイ

3000 × 4500 × 3000 (mm)

Mac pro、モニター

現実と3Dオブジェクトとの3つの差に着目し、
現実に準拠しつつもあえて3Dであることを強調させ、
3D特有の面白さを引き出そうとした作品。

主に空想の世界を表現するために用いられる3DCGは、現実の世界とは違う隠されがちな3つの特性を持っている。
1つ目の特性は風船やせみの抜け殻のように中身が空洞であり、厚みの概念がないことである。3DCGは表層のみの存在でありどれだけ厚みを見せかけたとしても厚みの中が空洞になるというどうしようもなさが発生する。
2つ目の特性は表層を司るテクスチャがディスプレイの映像のように変わりうることである。現実の世界ではそもそも色を除き表面(テクスチャ)と形態(メッシュ)は分かれていないが、3DCGはテクスチャとメッシュで別々の計算がなされるため容易に表面と形態との齟齬が生じる。
3つ目の特性は3Dオブジェクト同士が幽霊のようにものをすり抜けることである。現実世界で目に見えるものがすり抜けるのはまずありえないことであるが、3Dオブジェクトは物理演算を使用しない限りもの同士がぶつかっているように見えない。
上記の3要素は現実を模倣した3DCG作品の場合ではバグと呼ばれ、隠されるべきものであるが、逆にそこに現実の模倣から解放された3DCGそのものの、不気味さ、面白さ、儚さ、馬鹿臭さなどの魅力が隠されているのではないだろうか。