追憶の光 - 渡邉 伶奈

作品情報

写真 / W500*H300(mm) / 和紙(楮紙)、感光乳剤 / 10点

コンセプト

追憶の像をテーマに作品を制作しました。
パソコン、テレビ、携帯、当たり前のように身の回りにあふれる眩しい光。そんな中、暗い暗室の中での温かい温度を持った光に照らされながら見た写真の光の像は、どこか遠い記憶を想い起こさせるような不思議で新鮮な気持ちにさせてくれます。写真を焼く時に肉眼で見たままの風景に近づけるのではなく、想い起こす経過の中で感じた大切な感情や想い、時間によって自分の中に新たに生まれ、変化していく追憶の像をイメージして和紙に焼き込みました。
和紙には感光乳剤を塗り、光が和紙に染み込んで水墨画のような淡い質感になるようにしました。

渡邉 伶奈 / Watanabe Reina

プロフィール

1989年12月10日 22歳
神奈川県逗子市出身
フィルムカメラで撮影した写真を暗室でコンセプトと実験を重ねながら日々写真作品の制作に 取り組んでいます。
ライブの撮影、音楽関係のCDジャケット、フライヤー等で使われるアーティスト写真の撮影もしています。

コメント

この作品は大学2年生の時の「模写」をする授業がきっかけで始まりました。私は写真家「瑛九」さんの「眠りの理由」の中の作品を模写するために技法と作品について学び、暗室の中でフォトグラムと出会いました。それまで暗室に入った事も無かったし、もしかしたらこの機会がなければ今もデジタルで作品を制作していたかもしれません。私はパソコンで写真を編集が出来る当たり前の時代に育ってきました。たくさんのテレビやパソコン、携帯等の眩しい光を浴びながら生きてきた中で、暗室の暗闇で感じた光と水の中から浮かび上がる写真はとても新鮮に感じ、その経験は自分の身体の感覚を少し変えてしまったような気がしました。

WEBサイト / 連絡先

reina1210(at)gmail.com