多摩美術大学 情報デザイン学科 情報芸術コース 2009年度 卒業制作展|作品紹介_WORKS

それぞれの眺め / Each Scenery

八田 綾子 / Ayako Hatta
インスタレーション


「気づく・発見すること」によって、存在感の変化や空間の変化を体感する作品。
じっくり眺め、何かを発見するような場を作り出したいと考えた時、それは景色を眺める感覚に似ているのではないかと考えた。景色は視覚に訴える中心的な対象物がなく、視点が限りなく拡散し、定まらないものだ。そして絶えず微妙に変化している。私は光と影で動きのある空間を作り、新しい景色を生み出そうとした。
天井からは透明な糸が垂れ下がり、光の当たる方向によって、重なって見えてきたり、逆にそのものが見えにくくなったりする。光源の動く早さはそれぞれのユニットで異なり、じっくり見ないと分からない程遅いスピードである。そして見る位置によって光の色が移り変わって見えてくる。
このような一見気付かない些細な変化を発見した時、物の気配が立ち現れ、そこの空間を変える。