多摩美術大学 情報デザイン学科 情報芸術コース 2009年度 卒業制作展|作品紹介_WORKS

知覚されたい太陽 / The sun because of perception

上田 剛 / Go Ueda
インスタレーション


この装置は、作品の中に点在している現在の地球上の直射日光をダイヤルによってチューニングし、受信することで、降り注ぐであろうエネルギー量を指標とした光が展開され、さらにそこから一日分の時間の移ろいを光源のフェードによって見せていく、体験者を日光浴させるノンフィクションな再現装置である。

日光浴という行為を、人間の知覚と言う観点から光を計画し、日焼けサロンのような、機械的かつ欲望的な乾いた体験でなく、日光浴そのものの体験を扱った太陽のエネルギーを浴びる作品である。
これは太陽の持つ、視覚では知覚出来ない赤外線や紫外線といった皮膚によって熱や日焼けの痛みとしてとらえられる光の方が、より受け身な体験を誘導し、目をそらしても知覚してしまう皮膚は、光が視覚だけの物ではないことを体感させる。
と同時に皮膚は知覚から逃れられず、フィクションな体験はあり得ないのだ。