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八田綾子『それぞれの眺め』

  • 天井から吊されたナイロン糸による巨大な構造体のかたちは、自然界に存在するものから形状アルゴリズムを抽出するところから生まれた。"生物のかたちづくり"に理論的な目を通して考察する手法を通じて、造形原理に迫りたいと願う発想をベースにしている。もののあらわれの奧にある造形原理をあらわにしようとする彼女の仕事は、造形の基礎をしっかりと受け継いだ確かな仕事だ。そのうえに彼女の場合、ゆっくりと動くLEDの仕掛けでナイロン糸が照らし出され、構造体のなかで青くきらめく効果も取りいれている。幾重にも編み込まれたナイロン糸のなかで、偶発的にも繊細な光点の重なりがうつろってゆく様を体験することによって、総合的なイメージ空間をつくり出している。そこで立ち現れてくる静謐な気品あふれる空気とふれあうことのできる作品である。
    (准教授・森脇裕之)

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