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長谷川太論『Maieutic』

  • 無数のポラロイド写真がムービーに変換され、暗黒の空間の中を浮遊している。それらのイメージは、左右二つのスクリーンに映写され、鑑賞者が覗きこむ鏡によって立体視される。この作品は作者がこれまで撮影してきたポラロイド写真を立体視する装置であり、今年度で生産を終了するポラロイド写真の霊廟的なインスタレーションであろうか。写真とは本来物質的な存在であり、風化して失われるはかなさを抱えていた。それゆえの愛おしさを秘めていた。この作品は、記憶と記録の間におかれていた本質的な写真の有り様を紐解き、その美しさを讃える。(准教授・佐々木成明)