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2001年度

  • 船橋慶充 『剥離』

    四方が黒く塗られた閉鎖空間の中で、鏡の破片により散乱させられた自分の姿を体験することで、日々のくり返しの中でまとわりついたさまざまなベールを発見し、自分の本質を再認識することを目指した作品。変形させられた自己の姿の断片をアレゴリカルに用いながら、「自分を知る」という普遍的なテーマに対して自己言及的に機能する。(教授・三上晴子)

  • 小林裕卓 『SELF-FOCUS』

    甲冑を着た操り人形と博士との関係が、人間とマシンのイロニーになっている。ヴァーチャルリアリティを古典的な芸術と対比しているようにも読める、秀逸な本格的3DCG作品である。(教授・原田大三郎)

  • 曽田玲奈 『オルゴーリィ』

    日常生活の感覚にメディアのセンスを取り入れた佳作。テーブルの上のふたを開ける行為や、聞こえてくるオルゴールの響きによって、身の回りにある何気ないものや、何気ない仕草を取り入れ、あくまで自然な感覚でオルゴールのサウンドを聴かせる。作者の制作姿勢は、この自然感覚であり、それがこの作品の場合無理なく出ていて、観客は思わず手を伸ばし、微笑ませるものとなっている。(准教授・森脇裕之)

  • 大久保雄輔 『Individual propaganda』

    ハーフミラーで覆われた2つのタワー状カプセルの中で、観賞者は強烈な光と音を体験する。周囲は見えないが周囲からは見られている、という反転させられた双子の(逆箱男的)環境が、メディアによるプロパガンダという外的要因と人間の記憶という内的要因の狭間、あるいは国家や宗教といった集団と個人の狭間を浮き彫りにする。(教授・久保田晃弘)

  • 渡邉郁美 『木人音』

    木製の機械といえば、からくりを思い出すが、からくりの持つ触感やぬくもりを現代風にアレンジして、新しい木製楽器に仕上げたのが本作品である。作品では木製楽器特有の包み込むような優しい響きを追求しただけではない。もともと楽器はインラタクティブな道具であるが、センサやモータを組み込むことによって、より作品の空間性に重点を置いた結果、新しい楽器のカテゴリーを作り出せたのではないだろうか。(准教授・森脇裕之)